プリンシパル騒動。

大学の冬学期が始まりました。
UCSBオケのこの冬学期のコンサートのメインはブラ2です。




私にとって、ブラームスの二番はすべてのオケ曲の中で一番思い入れのある曲です。
私はこの曲を今までに二度吹いたことがあって、
一度目は大学の幹部回生の最後の演奏会
二度目は去年の6月に、アメリカ行きが決まってTオケを休団する直前の演奏会で吹かせて頂きました。
なんとなく、自分の人生の節目に吹いてるというイメージです。
そして幸運なことに、二回ともトップを吹くことができました。


一回の演奏会のためにそれぞれ約半年間練習していたので、ブラ2に関しては私は丸一年間は練習しているでしょうか。


練習するうちに、どんどん私はこの曲が好きになりました。
美しい木管アンサンブル、そしてオーボエのソロ、その一つ一つにかける私の思いは、並々なりません。



その思い入れのある曲をこのUCSBのオケでやるなんて。
正直言ってちょっとでした・・・(^_^;)
やる気のない学生ばかりのこのオケが、ブラ2ができるなんて思えません。


と、いうか、一番のホントの気持ちを言ってしまうと。。。
私は学生じゃないからトップが吹けないだろうし、
やる気のない、あまり上手じゃないオーボエの学生に、三カ月も目の前でブラ2を吹かれることを想像すると我慢ならなかったのです(>_<)!!


ちなみに私が所属していたTオケでは、トップを任されることはとても誇らしいことであり、それと同時に、大変なプレッシャーと闘わなければいけない立場におかれることでもありました。


トップを吹くからには中途半端じゃ許されないのです。
トップになったら、
人一倍勉強をしないといけない。
誰よりもわかってないといけない。
周りの人に「この人こそがトップだ」と、納得してもらえる演奏をしなくてはいけない!
(暑苦しくてすいません(^_^;) )


そんな状況にすっかり慣れてしまっていたので、私にとって大事な曲に「やる気のないトップ」というのが受け入れ難かったんです。。。



こんな気持ちでいたときに、夫の所にオケの助手の人からメールが来ました。
それがなんと、
「来期はエリにプリンシパルをしてもらうかも…」
という内容でした。


プリンシパルって首席ってことです。
学生じゃない私にプリンシパル!!!
ありえない!!!
でももしトップが吹けるなら・・・木管アンサンブルだってどうにか変えられるかもしれない!
ブラ2のトップ、このオケでも挑戦したい!!!
予想もしてなかった「プリンシパル」の言葉に私は一気に舞い上がりました。
すごくすごく、嬉しかったんです。





そんなこんなで練習初めに行きました。
本日の練習内容、ブラ2オンリー。
ドキドキしながら練習所に行くと。


なんか見たことない人たちがいっぱいいます(@_@)
どうやら学期が変わってこの授業をとる学生も変わったようです。


そして、オーボエの席には、秋学期にトップを吹いていたジェシー・H、あと知らない子が2人。
ニューフェイスはまたしてもブロンドの女の子×2です。
え、すでにオーボエ3人いるじゃん!
定員は?3人か?


用意されてたオーボエの席は3席です。
私、いらないんじゃ・・・。
プリンシパルどころか、オケ自体に必要ないって言われるかも。。。


恐る恐るリチャードに聞きに行きました。どうすればいいのかと。
リチャードは困り顔で言いました。
「なんか今期はオーボエがいっぱいいるみたいだね(^_^;)
とりあえず今日はファーストをジェシーと倍管で吹いてくれる?」
そしてこんなつけたしも。
「ほんとはエリに吹いてほしいけど・・・人がいっぱいだからね・・・」
そんな事を言いながら、オーボエの席を4つに増やしてくれました。


そういえば前回も練習初めは倍管で吹かされたっけ。
秋のように、両方共に吹かせて、後でどっちか選ぶって言うんでしょうか・・・。





私はとりあえず、言われるがままに吹いちゃいました。
ところが一緒にファーストを吹くジェシー珍しく譜読みをしてきたようです。
i-phoneを練習途中に見る回数も秋よりだいぶ減ってます。
彼女は彼女なりに一生懸命になっているのでしょう。


常にフォルテで私が勝ちよとばかりに吹くジェシー
間違えるたびにとても悔しそうなリアクションをとるジェシー
私が少しでも間違えると嬉しそうなリアクションをするジェシー
ちょっとイラっときて、私も大人げなく対抗して吹いてしまいました(+_+)


でも私はこの曲、暗譜するほど吹きこんでるんです。
ジェシーよりうまくて当たり前です。
そしてジェシーはどんどん不機嫌になってゆき、どんどん気まずい感じになってきました(@_@;)


極めつけが練習後でした。
練習が終わるなり、ジェシーがニューフェース二人に声をかけました。
「パートの連絡とかしたいし、メールアドレスと電話番号教えてよ!あとオーボエパーティーにも招待するわ!皆で仲良くしましょうね!」


この会話、私を完全スルーしてなされました。
ニューフェースは二人とも十代って感じの若い子たちで、パーティーって聞くとキャーキャー言って喜んでました。
おいおい、いじめかっ!?(*_*;
パートの連絡、私も必要なんですが。
やな感じです(@_@;)


そしてニューフェース二人の連絡先をゲットしたジェシーは走ってリチャードのところへ行き、何か話しこんでました。
パート決めについてでしょうか。
胃が痛くなってきました(+_+)



あーいい歳して何やってるんだろ(゜_゜)
ブロンドギャルとケンカ!?
オーボエって一般的に、みんな気が強いんです。(私も含め・・・)
自己主張が激しいというか。
オーボエ同士で仲良くするのは至難の業。
こんな状況はちょっと考えれば予想できたことです。



やっぱり私が首席なんてありえない。
身分をわきまえないといけなかった・・・。
私も思い入れのある曲だっただけに、舞い上がってました。
学生でも何でもないんだし、学生優先のオケだって初めに言われてたのに。
なーんてバカだったのかしら(;_;)






ここは勿論、現役の学生であるジェシーが吹くべきです。
彼女はオーボエが主専攻。
将来、プロになろうと思っているのかも。
彼女が育つための貴重な経験を私が奪ってはいけない。
だいたい、これ以上気まずくなるのとかムリです。



でも大人になりきれない悪魔の私が言います。
「私より吹けてない子がプロになれるわけないやん!こっちだってオーディション受けて入ったんやし、トップやる権利もあるんとちゃうの!?」
なーんて(`∀´)


いやーいかんいかん。
このオケは授業。彼女は生徒。
お金を払って受けてるんだから、ジェシーに権利はあるのです。
私はオケに入れただけでも幸運だったと思わなければ。
プリンシパル云々は忘れ、謙虚な姿勢で臨むべき。
ってか、ジェシーに吹きたいという意思がある以上、当然彼女がトップに決まるでしょうし。



けっこう期待をしてたのでなんだか悲しいですが。
・・・でもあんなにやる気のなかったジェシーが、一生懸命になってました。
譜読みをしてきたあたり、彼女もブラ2が好きなのかもしれません。


前回よりはやる気が見られるということで、少しは私の気も晴れます。
そしてもしかして私のオーボエに触発されたのね!って言う勝手な自己満足にひたったところで、この出来事を忘れたいです