指揮のテスト。

大学の冬学期ももう終わりで、今は試験期間。(もほぼ終わりですが。)


この試験期間、オーケストラには少しスペシャルなイベントがあります。
それは、
「指揮クラスの期末試験での演奏」
「指揮」の授業を取っている学生たちが代わる代わる指揮台に立ち、課題曲を演奏します。


このイベントへのオーケストラメンバーの参加は強制ではなく、有志です。
オケの皆もテスト期間中なので参加できない人も多く、足りないパートはたくさんあります。
今回はオーボエもホルンも足りてなかったので、私たち夫婦も初めて参加してきました。


今回の課題曲はブラームス交響曲第二番の二楽章」
先週のコンサートでやった曲です。
今回テストを受ける学生は7人
ぶっ続けで7回、二楽章を演奏します(^_^;)
(ちなみに前回の秋学期は15人の学生が指揮をふったそうです。課題曲はベートーベンの運命の一楽章。あれを15回続けて演奏なんてものすごくタフな作業。。。)


指揮をする学生はまた個性豊かな面々でした。
中でも特に印象的だった人が二人。
愛称をつけるなら、カツラセクシーです


  • カツラ。

テストというのに燕尾服にベートベンのようなカツラをつけて登場。見た目のインパクトの割に指揮は弱気。見る度笑いが出て大変・・・

  • セクシー。

とにかくセクシーな女子学生。ノースリで胸の深くあいた服を着ていたので目のやり場に困る。体をくねらせて振る指揮はセクシー過ぎて分かりずらい・・・


いや〜面白かった。ビデオ撮りたかった(>_<)


学生たちはカツラかぶったり冗談言ったり、一見リラックスなムードなのかもって最初は思ったのですが、やっぱりテスト。
皆ものすごく緊張しているのが指揮を見ていると伝わってきて、私も少しドキドキしながら、それぞれの指揮を楽しみながら演奏出来、とても楽しかったです




そして7人の学生のテストが終わり、やれやれと思っていたところに、8人目の指揮者が登場しました。
彼女は今回テストを受けた一人の学生の妹で、若干10歳の女の子なんです。
(しかも日本人(日系人?)。オリエンタルな顔立ちで、日本語と英語両方しゃべってました。)
普段はLAのユース・オーケストラでチェロを弾いているそうなのですが、指揮者に憧れていて、今回お姉ちゃんのテストを見学しに来たとのこと。
本人の強い希望もあり、最後に特別に指揮を振ってもらうことになりました。


本当に驚いたのですがこの10歳の女の子の指揮がすごくうまかった!!
先日の記事にも書きましたが、ブラ2の二楽章は難しいのです。(テストの課題曲になるくらいですから。)
学生たちの指揮も途中乱れ、全体が崩れそうになる場面も何回かあったのですが、なんと彼女にはほぼ崩れがありませんでした
常に迷うことなく毅然とした態度で、しかも「やりたい音楽」がすごく伝わってくる指揮だったんです。
自分の意思を伝える指揮ができるって、ほんとすごいことだと思います。
テストを受けた学生には申し訳ないですが、私は“今日吹いた中で、彼女の指揮が一番演奏しやすいかも”なんて思っちゃいました。


ちなみに、彼女はこの場に来るまでブラームスの2楽章は聞いたことがなかったそうです。
それでいきなりこんな指揮を振れるなんて天才じゃなかろうかっ( =`д´= ;)
普段からオケで演奏しているからなのでしょうか、それにしたって素晴らしすぎです。
(日本にいたとき、何回か小学生の指揮で演奏した経験がありますが(子供向け演奏会での「指揮者体験コーナー」にて)、こんな風に指揮を振れる子供には会ったことがないです。)


才能があるってこういうことなんだな、と(^_^;)
才能ある「超若者」に出会えて、胸がキュンキュンしました(。-∀-)
将来どうなるのかな〜。楽しみです